もうこれだけで何かわかる本です。
不朽の名作「ブラディドール」
いや本当に、こんなにも人生に楔打つみたいな本ないよ!!
と心がぎゅーとなって雑巾よりも絞り取られてる感じ。
私のトキメキが!
紹介するのは 北方謙三 「残照」 ブラディドール7
あらすじ
「なにも言わずに消える。それが俺には納得できなかった」
自分の前から、突然消えた女を追いかけて、青年はこの街に
やってきた。癌に冒された男との出会い。滅びゆく男に
魅入られた女との再会。青年はそれから生きていくための
けじめを求めた。
やがて死に向かった男の生命の炎が燃え尽きたとき、友の瞼には
残照が焼き付けられる。
ん。
そんな中身だったか(笑
てかもう、出てくる全員が強烈で・・・
そしていきなりなんで7巻よ? とかですが、だって7巻からじゃもん!
下村さんが出てくるの!!
もうRX7に乗って出てきた瞬間に私を落とした。
どこを取る? ってくらいに名言名シーンだらけで迷うところですが!
ここはやっぱり、ブラディドール史上でもトップを争うセリフを!
「黙れよ、天使」
「黙るさ。眠った方がいい。とんでもねえ体力だって、桜内さんが呆れてた。
実のところ、おまえを見た瞬間、桜内さんは首を傾げてたよ。あっちへ
行っちまいかけてるってな。ところが、何時間か経つと戻ってきやがった。
ちょっと出かけてたやつが、一杯ひっかけて戻ってきたみたいにな」
「喋りすぎだぜ、俺の天使」
「天使か、悪くねえな」
俺は眠りに落ちかかっていた。
「何時だよ?」
「午後四時。腹でも減ったか?」
「何日の?」
「十三日。生憎と、金曜じゃなく土曜だ」
金曜の宵の口に、玉井と会ったのだった。あれから二十時間以上経ったと
いうところか。
眠れよ。坂井が言ってるのが、遠くで聞こえた。
夢は見なかった。
夢のない眠りは、死に近いのか。生に近いのか。
もう本当、ここはずっと読んでたい。見てたい。
なんじゃこの二人のトキメク絡みは!!
このシーンは、主人公下村さんがリンチにあって死にかけて、
そこに社長らに助け出されたあとのことなんですが。
社長を心配する坂井が、無茶をした下村さんを呆れるのが
またいい・・・!!
さらに、坂井の「眠れよ」って一言がまた・・・!!
私の清らかな心をぎゅうーっとしてくれるのです。
好きだよ! 天使!!
あと、この巻では私の大好きなおしゃべりな殺し屋さんが
最期を迎える。
そのシーンもめちゃくちゃ好きだー
「麻酔はかけるなよ、ドク」
叶が言った。眼は閉じたままだ。
「眠ったままくたばりたくないんでね。傷がどんなものだかは、
撃たれた時にわかった」
喋るたびに、叶の口からは血が流れ出していた。
「動かなければ、助けられた」
「いいんだよ。あいつを追いかけないことには、俺の気持ちが
済まなかった。この傷だから、始末するのに苦労したがね」
「喋るな」
「最後だ。好きなだけ喋らせろ。俺が沈黙のもたらすものに
耐えられないことを、おまえだって知ってるだろ」
「苦しくなるぞ」
「俺は、お喋りな殺し屋さ。くたばる時だって、喋っているべきだと
思わないか」
本当に、最後まで、喋りつづける・・・叶さーーーん!!
もう涙も出てこないほどかっこよく幕を引く。
かっこよすぎてもう困る!!
ブラディドールは本当読んでたらこっちの心臓が
いくつあっても足りないんだけど・・・
でもまぁ、紹介しないわけには。
っていうか、書きたい! 言いたい!!
素敵な本なんだよー!
私はこれらを棺桶まで持っていく。
一緒に灰になる。
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