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【2024/05/19 02:01 】 |
嶋 浩次のウワサ
「嶋さん、お茶です」
「ん――ああ、ありがとう」
外回りから帰ってきた嶋にお茶を出す新入社員は傍目に見ても
解かるほど緊張していた。
帰ってきてすぐパソコンに向かっていたが、声をかけてくれた相手には
ちゃんと顔を向けてお礼を言う。
それだけで緊張していた彼女は真っ赤になって慌てて頭を下げ、
逃げるように給湯室へ走り込んだ。
「おかえり、って、そんな緊張することじゃないでしょ。お茶出しくらい」
先輩には呆れられるが、これが緊張しないでいられるだろうか。
少しクセのある明るい色の髪は、どうやら天然のものらしい。
切れ長の目は二重でくっきりとしていて、すっと通った鼻筋も形の良い唇も、
姿勢が良いので吊るしのスーツを着ていてもモデルにしか見えない。
それでいて人当たりもよく仕事も出来るとなれば、間違いなく彼はこの社で
一番の人気ものだ。
それが嶋 浩次という男だった。
「無理っ無理ですっだって目が合っちゃったんですよっ」
これが緊張しないでいられるだろうか、と顔を真っ赤にする後輩に、
先輩も確かにね、と頷く。
「あんな美形に声をかけられたら理性なんて飛んじゃうわよね」
「嶋さんになら遊ばれてもいいって思うもんね」
「あ、遊び、遊びって――うう、でも、付き合ったりとか無理ですけど、
遊ばれてみたい――」
いったいどんな夢のような世界に行けるのだろう。
すでに夢の世界に飛んで行ってしまっている後輩に、先輩は苦笑して
引き戻すことにした。
「あのね、あの人って、この社内で告白され率NO1だけど、
振られ率もNO1なのよ?」
「・・・えええっ」
何でですかどうしてですかあんな人を振るなんてどうかしてますよ!
勢いで咬みつくように答えた後輩に、やはり笑うしかない。
「だって・・・ねぇ」
「ねぇ、なんかすっごく、外見裏切ってるのよねーあの人も」
遊ばれたい。遊びたい。
現実的なことなど考えたくない。
そう願って付き合うのに、嶋は至って普通――よりもとても、
真面目な男だった。
一夜限りの夢では終わらず、一線を越えてしまったからには責任を取る
――そんなことを言われては、現実が目の前に突き刺さる。
ハーレクインの世界から、一気に昼ドラに落ちていく感じだ。
夢のまま覚めなければ良かったのに、現実を見れば嶋という男と
一緒にいる自分の存在のなんとみすぼらしいことか――とてもじゃないが、
並び立つ勇気も度胸もない。
さらに現実を見た生活感溢れる会話をされると、興も覚める。
「あ、ほら、加村さんが話しかけてるわよ」
先輩に促されて、すぐにフロアに視線を戻すと、嶋の隣に座って
加村が話しかけているところだった。
この会社で1、2を争う人気者の二人だ。
思わず、耳を大きくしてしまうのは仕方がない。
 
「嶋、今日飲みに行かないか」
「んー悪い、パス。今日中にこの書類作ってしまいたいんだ」
「なんだよ付き合い悪いなー、せっかく可愛い子のいる店見つけたのに」
「・・・お前な、付き合ってるやついるんだろ、振られるぞ、
んなことばっかりやってると」
「その時はその時だよ。それより、可愛い顔ですっごい巨乳なんだよ。
見ないと人生損するぞ?」
「そんな損、したって構わない」
「お前やっぱり、その顔もったいないよなぁ。もっと有効利用しろよ」
「してるよ、もう充分だ」
「充分遊んでるって? 言うね」
「・・・もうお前、向こう行け」
 
嶋浩次と加村輝司。
名前は同じ読み方なのにこんなにも正反対なんて、不思議よね。
先輩の言葉に、後輩も何度も頷いた。
いったいどんな遺伝子配列を間違えて、こんな風になったんだろう。
「付き合う付き合わないとかっていうと、すっごく格好いい二人なんだけど、
でもねって躊躇っちゃうんだけど・・・」
「こうして見るだけならね」
「やっぱり眼福よねー」
先輩たちの言葉に、後輩も壊れるほど何度も頷いた。
眼福だ。
どんな会話がされていようとも、格好いい二人が並ぶとこの上なく幸せだ。
 
彼女たちのウワサはこれからも続いていくのだった。
 


*****

続きを書いてみました。
コウジはコウジでもこうも違うと面白いものです。
その二人がいろんなことしちゃうとなればさらにおもろいものです。
うむ。

この週末、新しい本棚を購入。
愚弟の部屋のひとつに私の本を3分の2ほど移動しました。
はー
結構な労働です。
移動先が2階だったもんだからとくに。
この移動については・・・いろいろあるんですが、
話すとすんごく不愉快なことも話さなければならないので
もっと落ち着いてしまってからに。

しかし移動したときは、新しく本棚も買ったりして
結構棚に余裕があるのに、どうしていつもいっぱいになって
溢れてしまうのか・・・
買った本を全部残してるわけじゃないのになぁ。
不思議だ。

そういえば、年末年始のボード旅行。
今週くらいに申し込みしようと思います。
どなたかいらっしゃいましたらその時までに。
初対面でも大丈夫だと。
楽しいオフ会程度のつもりでご参加ください。
まーずっと私滑ってますけど!

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【2011/11/13 18:51 】 | たとえばこんな日常恋愛 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
加村 輝司のウワサ
「あっ加村さん、帰ってる――あの、私お茶持って行っていいですか?」
営業部の給湯室からそっとフロアを覗いた今年入ったばかりの女子社員が、
目当ての相手を見つけたのか嬉しそうに言った。
受けたのは指導に当たっている先輩社員で、そこにたまたま一緒にいた
同僚たちと驚いたように目を瞬かせて見合わせた。
「えっと、やっぱり、ダメですよね・・・」
好きな人に気持ちを隠すことなくアピールするのはいいが、ここは会社だ。
先輩を差し置いて、そんなこと許されるはずもない――と俯いたのだが、
先輩たちの反応は違った。
「ダメじゃないけど、貴方加村さんが好きだったの?」
どこがいいの? と問うような口調だったので、俯いた新入社員は
顔を輝かせて語った。
「だって加村さんって、なんか地味だなーって最初思ったんですけど、
よく見てるとなんかドキドキする色気があるっていうか、大人の男の人って
こういうのかなって思って、それに仕事も出来るし――」
キラキラ輝く目は夢を見ている。
先輩たちは口にしなくても同じ感想を抱いた。
確かに、加村輝司という男はモテる。
一見、本当に地味に見える。髪は一度も加工していないような黒髪で、
柔らかそうでセットしているのだろうが、サラリと流しているだけだ。
目鼻立ちもはっきりしているわけではないが、一重の目はすっきりとしていて
爽やかさを感じる。
唇はいつも微笑んでいて、誰かと視線が合うと必ず愛想よく答えている。
いつも黒いスーツを着ているが、地味に見えるシャツやネクタイはよく見れば
かなり選んでいる洒落ものだった。
「仕事が出来るっていうか――あの人は、上手いのよねぇ」
「上手い?」
先輩の言っていることに首を傾げると、フロアの中を指さされた。
「ほら、ちょうどいいタイミング。あの会話聞いてみたら?」
「えっ」
促されて、悪いとは思いつつも彼女はフロアの会話に耳をそばだてた。
 
「佐藤さん、丁度良かった――あのさ、今日の打ち合わせの書類、
まとめてくれないかなぁ? 明日までに」
「え――私がですか? そんなこと言われても私じゃ・・・」
「だって俺がするより、佐藤さんがまとめてくれたほうがすごく
解りやすいんだよね――早いし丁寧だし、もうほかの人には頼めないよ」
「・・・もう、今回だけですよっ?」
「ありがとう、本当、佐藤さんって優しいなぁ美人だし、もう言うことないよね」
 
「解かった?」
一連の会話を聞いた後で、先輩に確かめられて、新入社員は
複雑そうな顔をしていた。
「ええと、あれは、つまり」
「仕事は出来るんだけど、すっごく要領いいのよ、あの人」
「そうそう、あんなふうに頼まれたら断れないのよねー」
「乗せられてるって解っててもついつい受けちゃうの」
「格好いいってみんな知ってるけど、恋愛対象には入らないのよね」
「えっどうしてですか?」
「加村さんが入社してきたときの歓迎会、あれはもう伝説よ」
伝説?
びっくりした後輩に、先輩は面白く話してくれた。
 
地味に見えても、社交的で明るい加村は一気にその場で
人気を惹きつけていた。
隣に座っていた女性社員が、明らかに狙っている態度を隠さず、
付き合っている人がいるかどうかを聞いたのだが、
「今? 今は彼氏かな」
あっさりと答えらて、質問したほうも一瞬聞き間違いかと驚いたが、
加村の態度は至って普通だ。
「え・・・えっと、ホモの人? 加村さんって――」
「いや、別に。男だけが好きってわけじゃないよ。どっちでも気にしないだけで」
やっぱり明るく答えられて、聞き耳を立てている周囲もどう
反応していいのか解らない。
質問した相手だけはそれでも、ここで引き下がれないのか
表面上だけの笑顔を見せた。
「男の人もって、じゃあ、この課の男の人みんな対象なんですかぁ?」
「あのね、君は好き嫌いないの? 俺だって好みってもんがあるんだよ?」
加村の返答と笑みは、笑顔の相手を凍らせるようなものだった。
「じゃ、じゃあ、どんな人が好みなんですか?」
狼狽えるように質問を繰り返すことに、加村はその場の誰より爽やかに、答えた。
「俺を好きって言ってくれる子」
来る者拒まず去る者追わず――完全な博愛主義。
加村の評判は一気に広まった。
 
「そ・・・そんな人なんですか・・・あんなに優しそうなのにー」
新入社員の目は涙目で、フロアにいる加村に未練がましい視線を向ける。
「優しいか優しくないって言ったら、優しいんだけどねー」
「そうよね、加村さんに一度でもエスコートされたら男を好きだろうとほかに
彼女がいようと構わないって思っちゃうらしいけどね」
でも、そんな人だ。
営業部で人気があることだけは、確かだ。
先輩はしょんぼりとした後輩に慰めるように肩をたたいた。
「貴方も最初に加村さんに目を付けるなんてマニアックねー」
「格好いい人なら嶋さんも負けないと思うけどね」
「あー嶋さんは・・・格好良すぎるっていうか、もう私なんか夢も見れないっていうか」
「まぁね、その辺のモデルより格好いいものねー」
「ですよね! もう毎日姿を見れるだけで眼福ですっ」
「あはは、でも嶋さんもね、話すとさぁ・・・」
 
彼女たちのウワサ話はまだまだ終わりそうになかった。


*****

思い出したかのようにWコウジの更新です。
もうひとりのコウジも続きます。

あー今食べたとんかつきつい・・・
気持ち悪いよ・・・お肉が受け付けない身体になったのは
いつからじゃろう?
・・・結構前からですけど。
30超えたあたりから生ものもあんまり受け付けないように。
野菜を食べて生きよう。

年末年始、ボード旅行に行くことにしました!
白馬に!
一緒に行ける人募集中。
とりあえず、旭陽くんは連れて行きます。

【2011/11/10 20:29 】 | たとえばこんな日常恋愛 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
たとえばこんな日常恋愛
加村 輝司のベッドは広かった。
大人の男が二人並んでも充分広いと思うほど広い。
嶋 浩次はそのベッドの上で頭を抱えていた。
下半身には布団がかかっているが全裸だった。
「なんで・・・何でこんなことに?」
寝起きで低い声は困惑していた。
隣で安眠を貪っていた加村は朝の光に眉をひそめた。
「お前・・・早起きだな。まだ早いだろ・・・」
「早いとかそーゆう問題じゃねぇよ。目が覚めたんだよ
したら二度寝出来る状況じゃねぇだろコレ」
布団に潜り込んで眩しさを遮ろうとする加村の上を
バシバシと叩いた嶋は動揺もしていた。
煩そうに顔を出した加村は転がったまま隣を見上げる。
「覚えてねぇの?」
「覚えてなかったら即逃げてる」
「わー嶋くんヒドイ男だね。女の子には優しいハズじゃなかったの」
からかいながらようやく加村も身体を起こした。
床にあった煙草を吸うつもりらしく、灰皿と一緒にベッドにのせる。
「女の子だったら逃げるわけないだろ」
嶋もその煙草を奪うように咥え、煙を何度か二人して吐いた。
半分ほどの長さになって、加村が口を開く。
「忘れる?」
「忘れられんなら困ってない」
即答した嶋に笑った。
苦々しい顔に、からかって囁く。
「昨日すごかったもんな? いつもあんなに激しかったら
女の子コワレちゃうんじゃないの?」
「お前腰、大丈夫なの」
「痛ぇよバカ」
「俺も痛い。あんなに振ったの初めて」
加村は弾けるように笑った。
その隣で嶋は、顰めた顔のまま呪文のように言葉を吐き出す。
「ヤバイよお前、カタイのに何であんな気持ちいいの。
病みつきになったらどーすんの。あー俺男とやっちゃったのかよ
コレで俺もホモになんの?!」
腹筋を折り曲げベッドに倒れるように笑っていた加村は、
震える指にはさまれ落ちそうになった煙草の灰をどうにか灰皿に
押し付けて、笑ったまま聞いた。
「ホモになりたいのお前」
笑い過ぎて浮かんだ涙を拭きとり、置き上がった加村に嶋はうんざりとした。
「なりたいと思ったことはない」
「だろうな」
「どうするんだ」
嶋の目には真剣なものがあった。
それを受け止めた加村は笑った。
「どうしたいんだ」
「訊いてるのは俺だ」
あっさり返してくる加村に、嶋は不機嫌なまま睨む。
「なりたいんならなればいい」
加村は布団から抜け出し、ベッドから降りた。
「加村」
強く名前を呼ばれても、加村は何も身に付けていない身体を
振り返らせ薄く笑って肩を竦めた。
日本人にしか見えないのに、外人みたいだ。
嶋はその仕草に枕を投げつけた。
笑いながらシャワールームに入る加村の声を聞きながら、
どこかすっきりしてしまった嶋はもう一本煙草を拝借することにした。
 



*****

思い付いたSSです。
てか、先日チェーンソーの講習中に思いついて
ノートに書きなぐったSS(笑
浩次と輝司はおんなじ読み方です。
なんか背景とか結構おもろく決まってて、纏まれば
続きを書いてやりたい。
てかその前に。
今週は勉強だ。
うむ。
これからもうちょっと仕事するけど、
勉強しよう。
週末の女子会「アイビー会」楽しみだからね!!
【2011/10/10 13:22 】 | たとえばこんな日常恋愛 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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