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「荷物をこっちに転送するのか?」 電話を切ると、完全な休日だからか珍しくジーンズに シャツという恰好の繕が雑誌に目を落としながら 訊いてきた。 春則は携帯を机の上に置きながら頷く。 「冷蔵って言ってたし、一人より二人で食べたほうが 速いだろ」 自分あてに届いた荷物だが、今日は部屋に帰らないので 繕の部屋に回してもらうことにしたのだ。 「食べもの?」 「バームクーヘンだって」 「・・・輪っかの」 雑誌を見ながら、思い出すように呟く繕が面白く 遠慮なく笑う。 「そう、輪っかの」 言い方も子供のようで、この隙のない男がふいに見せる こういうところが飽きないと思う。 「なんだって菓子を貰うんだ」 「あー、この間、一緒に仕事した相手から」 「・・・へえ」 春則に解かる程度に声のトーンが下がった繕に、 春則はソファの隣に座り、 「言っとくけど、手ぇ出すような子じゃないの。確か、 中学の・・・後輩だったんだよ」 「知りあいだったのか」 「いや、知り合いってわけでもないかな」 「よく覚えてるな」 「覚えてねぇよ。ただ、いろんなとこから思い出して いくんだよ。誰もあんたみたいに営業で会った相手を 瞬間に覚える、みたいなメガバイト並の記憶力なんて 持ってないんだぜ」 「そんなにあるか」 雑誌に目を落としたまま否定した繕を、疑わしいと 春則は睨みつけておいた。 とにかく、久しぶりに何もすることのない休日だった。 途方もない繕の記憶力も、今日は発揮されることはない。 春則はのんびりと時間を潰しながら、この男にあの 甘いバームクーヘンを食べきらせるにはどうしようか、と 新しい悪戯を考えるように顔を綻ばせた。 「・・・何を考えている」 何かを察知したのか、隣から不穏なものを醸し出す 男に、春則は自慢の笑顔を見せておいた。 「別に?」 繕が諦めたように息を吐いたところで、宅配便が 部屋のインターホンを押す音が響いた。 春則は足取り軽く、それを迎えに行った。 ****** 旭陽くんは・・・どんだけ好きなの。春則さんが。 本当に(笑 私も忘れてた春則さんの誕生日を言ってきたのは 旭陽くんくらいよ。 ありがたいことなので、お礼SSでした。 包装紙をビリビリに破きながら、それをちゃんとゴミ箱に 落すとこなんかも入れたかったんじゃけど・・・ 昼休みは短いのでこのへんで! とりあえず仕事をがっつり頑張って、日曜日は たくさん遊ぶぜ! 欲しいものがあるの。 付き合ってな旭陽くん! PR |
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