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【2025/06/17 09:26 】 |
警鐘
これは警告だ。
頭の中で鳴り響いた音は重く、深く、はっきりと感じているのに、
周囲の誰もそれに気づいてないことが不思議だった。
何故、誰も警戒しない。
おかしいと思わない。
夏流は人生において、これほど不可思議に感じることはないだろうと思った。
それにしても、他の誰もが気付かなくても、唯一の幼馴染である洋平だけは、解かるだろうに。
そう思ったのに、洋平の顔をみて、また気付いてしまった。
洋平も、解かっている。
解かっていて、止められないからそんな顔をしているのだ。
夏流は勘が良かった。
しかし勘が良くて良かったなどと思ったことは一度もない。
むしろ鈍ければ、こんなにも世界の歪さに気付くことなく、楽な人生だっただろうと思う。
どうして自分にこんなものを与えたのか。
欲しいと願ったわけではない。
傲慢な思考だと思われても、それは夏流でないものには理解できない願いだった。
頭の中に警鐘が鳴り響く。
これは駄目だ、とはっきり告げる。
この男を目の前にしたとき、夏流は確かに感じた。
今の夏流が、欲しくてたまらないものを、あっさりと手にしてしまえる男だ。
夏流が手放したくないものを、奪っていく男だ。
子供のように駄々を捏ねて、それで済むのならいくらでも子供になる。
その男の傍にいることが、今までの人生を全て変えてしまうと解かっているのに、
止められないということが解かって、夏流は虚しく響くだけの警鐘の中で時間を止めてしまった。
それが、夏流が紀一という男にあったときの全てだった。
 
煩く響く警鐘だけがのこり、煩わしくなって顔を顰めた。
そこで目が覚めた。
まだ暗い部屋を見て、眠れないことに苛々とする。
 
「夏流が、紀一さんを嫌いなだけじゃん」
 
そうあっさり言った子供は、今は隣で布団に包り安眠中だ。
嫌いなだけだ。
嫌いなのだ。
それ以外に、何ものにもならない。
そう解かっているのに、この子供はあっさりと紀一の傍に近づく。
一度は落ち着いた警鐘が、また頭に響いた。
夏流がこれほど態度をはっきりさせているのに、いつまで経っても夏流を理解しない。
やはり、鈍いということが羨ましくなる。
夏流が身体を起こすと、隣にいた身体が少し唸って背を向けた。
まだ成長途中の筋肉がついただけの、細い背中が見えた。
それを見ても、眠れない苛々が落ち着くわけではない。
夏流は腕を掴んでもう一度仰向けにさせた身体を、じっくりと確かめた。
数えきれないほどの、自分の痕跡が残る身体だ。
これだけマーキングされていれば、自覚もしようというものなのに、この子供だけは自覚をしない。
肌をもう一度なぞり、顔を寄せた。
そして機嫌の悪さを逆手に取った、甘い声を囁く。
この顔と、この声に、この子供が弱いというのなら、夏流はどんな手を使ってでも、
腕の中に捕まえておくつもりだった。
今更、どんなに嫌だと言われても止めるつもりはない。
それがこの警鐘を気にしない、鈍い子供の報いだと夏流は笑った。
 


*****

なんとなくの勢いです。
寝てるとこたたき起こされた貴弘バージョンも書きたいです(笑

最近、花粉症が復活したよううだ。
まぁ出る日と出ない日があるんじゃけども。
くしゃみはおいといても、それよりも目がまた痛くなったほうが気になる。
右目の下まぶた。
瞬きするたびに痛いので、どうにかしたい・・・・
先輩のいる薬局に相談したら、地元の総合病院(ジジババ専用)の、
眼科は良いらしい。
良い先生らしい。
信用できる言葉を薬剤師さんにいただいた。
「他から来よる先生じゃけん」
・・・これ以上信用できる言葉があろうか!!
来週、まだ痛ければ行ってみようと思います。
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【2012/03/31 12:59 】 | SS | 有り難いご意見(0)
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