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【2025/06/17 08:59 】 |
夢を喰う獣 終
電話越しで洋平から、目の前で貴弘から、夏流は自分の記憶が
飛んでいたことを教えられた。
それを心配して、いろいろとあったことも教えられたが、
夏流の態度も表情も変わらない。
まったく信じていないのだ。
事実なんだけど、と洋平は向こうで呆れ、治ったのならと
さっさと電話を切った。
残された貴弘は、本当は夢だったのかな、と思わされるくらい
夏流の態度はいつもと変わらない。
それでも、夏流に知らない、と言われたときの絶望のような不安は覚えている。
それをどうやって伝えればいいのか、貴弘が戸惑っていると、夏流がベッドから
起き上がりすでに自分に何があったかなど興味なさそうに聞いてきた。
「お前、何か欲しいものがないのか」
「は?」                    
「なんでもいい」
「なんでもって・・・」
突然の請求に、自分の気持ちに動揺していた貴弘はすぐに
答えられるはずもない。
そもそも欲しいものがあったとして、それを夏流が買ってくれるとでもいうのか、と
それはどうして、と突然の質問に貴弘は頭が真っ白になる。
それでも夏流の目は真剣で、答えを待っているのに、貴弘はただ答えだけを
求めるようにグルグルと考えて、ぽつりと言った。
「う、うーん、と、子供・・・かなぁ?」
必死で考えて出した答えに、夏流は珍しく目を瞬かせた。
「お前、難しいことを言うな」
「なにが?」
首を傾げた貴弘を、夏流は流れるように動いてもう一度ベッドへ倒した。
「まさかそう言われるとは予想外だったが、お前が欲しいというなら
頑張ってみないこともない」
やってやれないこともないかもしれない。
と真剣に言う夏流に、貴弘はようやく状況を理解した。
「う、えっな、なんで?! 違う違うそうじゃないっ! 兄ちゃんだよ兄ちゃんたちに!」
慌てて手を突っ撥ねて押し返す。
なんだ、と詰まらなさそうに呟く夏流に、いったいどうしてそうなる、
と貴弘のほうが慌てる。
「兄ちゃんと千晴姉が、結婚してもう3年とかだけど、今ようやく新婚旅行とか
行けたくらいだし、でも子供とかいたら、嬉しいだろうなぁって」
新婚家庭に、自分は邪魔だろうけど、と貴弘は呟くが、夏流は頷いただけだ。
「解かった」
「なにが?」
了解されても、貴弘には意味が解からない。
そんなものを要求したところで、じゃあ出来ました、とレトルト食品のようなもの
じゃないのは貴弘だって解かっている。
それをあっさりと頷かれて、疑問でいっぱいになっているところに夏流が
もう一度覆いかぶさってくる。
「ちょ、なにっ」
「出来ないかどうか、試してみてもいいだろう」
「は――あ?! た、試すなってか出来ないっ知ってる! 
解かってるから、無理――ん!」
抵抗などまったくないように、夏流に唇を塞がれた。
そうなったら、やはり貴弘に止めることなど出来ないのだ。
 
連休も終わり、結局合宿も放りだしてしまった貴弘は、友人たちに
何度も謝り、そのまま家に帰った。
すでに日は落ちていて、旅行先から帰った兄夫婦が合宿で
疲れただろうと貴弘を迎えてくれる。
複雑なものを感じながら、じつは、とあったことを話しても
どうしようもないと口を閉じる。
2人は複雑な貴弘には気付かずニコニコとしていて、そして嬉しそうに話した。
「じつはな、貴弘。旅行先で解かったんだが・・・」
少し照れくさそうに言う兄の和弘に、嬉しそうな姉の千晴が続けた。
「貴くん、叔父さんになっちゃうけど、いい?」
「・・・・え?!」
愛おしそうにお腹を撫でる千晴に、嬉しそうな和弘に、
貴弘はその事実を正確に理解した。
「子供が、出来たんだ」
良かった、嬉しい、と喜び驚きながらも、貴弘の脳裏に浮かんだのは、
ここ数日振り回してくれた男のことだ。
まさか夏流が何かをしたとは思えないし、したところでこんなことには
ならないのだが、それでも不安と疑問が付きまとう。
 
あれって――どういう意味?!
 
それでもやってしまいかねない、と思ってしまうのが夏流という男なのだが、
ただ混乱に渦巻いた連休はこうして終わりを告げた。



おわり

*****

終わったぜ!
終わったよ!
はーちゃちゃーっと書いて終わるはずだったのに、思ったより
時間がかかってびっくり。
やっぱり夏流だよね、と笑ってもらえればなによりです。
今年はこれからもこの二人――というか、このメンバーで頑張って
いきたいと思います。

こうして私は仕事を終えて、ご飯を食べ、お風呂に入り、
パソコンに向かっているわけですが。
日々仕事が忙しくて忙しくて世界の余った時間をあんたにあげたいよ
と私が思う相方に、私は自社の広告作成をお願いした。
私がちゃらりと描いた絵をスキャンしてまめに送信!
それをまめがきっとかわいくしてくれてる只今です。
それを大人しく待ってます。
いいこで待ってます。
だからよろしく。まめ。
本当に私、デジタルというものに不器用でねぇ・・・


しかしふと気づけば。
明日は金曜ですよ!!
いったいいつのまに?!
なんかまだ、今週始まったばっかのような気がするんですけど。
私の一週間はどこに?
仕事してたはずだし、今週岡山市まで行ってたりもしたんですが。
いったいどこに・・・
このままではもういっきに来週ですねぇ。
遊ぶ前に全力で仕事します!

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【2012/03/08 20:14 】 | 夢を喰う獣 | 有り難いご意見(0)
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