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貴弘がふと気付くと、どこかで携帯のバイブレータが震える音が聞こえた。
どこかで鳴っている、と解っても、身体がひどく重くて動かない。 柔らかなベッドは、とても心地よくてこのままもう一度眠ってしまいたい。 それでもゆっくり瞬きを繰り返すと、夏流の寝室でカーテンの隙間から 柔らかな光が入っているのに気付く。 照明は付いていないが、それで部屋の中が見える。 いったいいつ、寝室に移動したのか覚えていない。 ただ何度も攻めたてられて、最後には理性も意識もなかったと思う。 首をゆっくり巡らせると、すぐ隣で綺麗な顔が瞼を伏せていた。 どれだけ見ても、夏流の顔は整い過ぎて驚く。 慣れないと解るのは、眠気がなくなるほど覚醒したせいだ。 記憶がないからなのか、昨日の夏流はいつもと違った。 確かめるようでもあるし、責めて苛められているようでもあった。 なんだ、どうしたら、と貴弘は知らず顔が熱くなった。 こんなことになって、改めて夏流とどうすれば、とうろたえたのだ。 貴弘を知らないという夏流と寝てしまって、じゃあこれからどうするのか、 貴弘には解らない。 ただ、やはり夏流の傍から動けなくなると不安と喜びで動揺する。 ひどく倦怠感の付きまとう身体ではあるが、貴弘はゆっくりと身体を起こす。 シーツから出た身体は何を着ているでもない。 肌の上にはいくつも夏流が付けた痕が見える。 以前のもあるし、それを見つけた夏流が昨日何度も同じ場所を辿ったせいでもある。 「うあ・・・これ、マジで、どうしたら」 改めることでもないが、貴弘は恥ずかしさがこみあげて赤い顔を腕に埋めた。 その腕を突然取られて、引き寄せられるようにもう一度ベッドに倒された。 「なん・・・?!」 驚くと、夏流の腕の中にいる。 「・・・まだ眠い」 言われなくても、夏流の寝汚さはよく知っている。 きっと今でも過去でも、同じだったはずだ。 貴弘は強制的に一緒に眠らされる手からもがき出ようとする。 「寝るなよ、つか今何時? 朝? 洋平さんに連絡しなきゃ、心配してるかも・・・」 昨日、そのまま引き上げて行ったが、日を改めて来ないはずもないだろう。 洋平は洋平で、夏流を心配しているはずだ。 夏流は腕から逃げる貴弘を、初めて目を開けて確かめて、 「・・・洋平が、どうした?」 それに貴弘のほうが驚いた。 「ど、どうしたって、だって、昨日」 「昨日? 来たのか? どこに」 どこもなにも、この部屋の夏流に会いに来たのだ。 夏流の表情は寝起きで機嫌も悪そうだがそれはいつものことで、 それに加えて本当に不思議そうに聞いているのも解かる。 貴弘は自分も理解できないのにどうすれば、と混乱を深めていると、 部屋のどこかから再び携帯の震えている音が聞こえた。 ベッドの下に落としてあった服の下から、夏流の携帯が震えていた。 寝起きだというのに夏流はさっさと動いてそれを取り、 相手を見て通話ボタンを押した。 「どうした、洋平」 またあっさりとした声に、貴弘は、おそらく電話の向こうでも洋平も、 それはこっちが聞きたい、と思ったはずだった。 つづく ***** 気づけばあっという間に日にちが過ぎて・・・ おかしいな? 次で最後です。 朝ちゅんになってんのは、HPに更新する予定の本編で がっつりやってるからです。 そちらを気長にお楽しみにー。 本日の晩御飯は焼うどんでした。 私は家の焼うどんが大好きだ。 しょうゆ味で。 家に帰るとまずお風呂に入るのだけど、焼うどんだったので 先のご飯を食べることにした。 ホットプレートにたくさん作ってあるのを小皿に取り分け、 いただきます、とひとくち。 「・・・・・・!!!」 もぐもぐごくん。 なんか飲み込んだけどこれなんだ? と確かめるためもうひとくち。 「・・・・・!!!!」 なんじゃこりゃ。 「・・・・・これなに入れたの」 「ぎょふん」 ぎょ・・・? 「魚粉」 私は魚の魚臭いところが嫌いだ。 生はまず食べないし、焼き魚も最近嫌だ。 煮たやつで匂いも味も変わったのなら少しなら なんとかって私に。 魚の魚臭いところを粉にしたものを食わせたのか? 焼うどんは3皿分くらいはいつも食べるのに。 今日はとりあえず取り分けたのは責任がある、と 一皿をがんばった。 でももう無理だった。 大好きな焼うどんが大嫌いなものによって 食べられないものになってしまったこの残念さ。 わかるじゃろうか・・・ 自分がおいしいと思うものは他人もおいしいはずと 思いこんでいるうちのパピー。 どうにかしてほしい。 PR |
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