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【2025/06/17 18:04 】 |
夢を喰う獣 1

5月に入り、全国的に連休になった初日。
空は晴れ渡り、気持ちの良い朝が始まった。
 
どこからか微かな振動と共に一定音が聴こえる。
深い眠りからゆっくり引きはがされるその感覚に、
意識なく眉根を寄せた。
肌触りの良いシーツから腕を出し、枕に伝わる振動を
辿ってそれを掴んだ。
アラームをかけていた携帯だ。
手にすると同時にフラップを開き音を止める。
少し身じろいで腕を突くように身体を起こし、貴弘はベッドに座った。
半分閉じた目で時間を確認すると、午前6時1分。
ひとりで起きたにしては上出来だ。
自宅ならいつまで寝ていても兄嫁が起こしに来てくれるので
安心して眠ったままでいるのだが、ここではそうはいかない。
なにしろ、広いベッドの隣にいる男は貴弘以上に寝穢いからだ。
貴弘はそれを放っておいてベッドを降りる。
トイレへ行き洗面所で顔を洗い歯を磨く。
ざっと服を着こんでキッチンテーブルの上にあったパンを
冷蔵庫の牛乳で流し込む。
ちょっと足りないと思うが仕方ない。すぐに食べられるものは
それしかないのだ。
そうしてもう一度寝室に戻ると、起きてからそれまで時間にすれば
10分しか経っていなかった。
経っていないが、寝室の中は何の変化もなかった。
彫像のように動かず、作りもののように美しい男は
確かめるまででもなく、眠り続けていた。
「今日、たぶん帰るの3時過ぎると思うから」
貴弘はそんなことも慣れていると、反応のない男に声をかけた。
「じゃあ行ってきます」
返事がないことも納得した上で、そう言い置いて
スポーツバッグを抱え背を向けた。
部活に向かうのだ。
ひとりで勝手に家を出て、オートロックが自動的に閉まっても、
寝室に変化はなかった。
傍でアラームが鳴ろうとも、人が起きようとも、声をかけてもまったく
起きる気配を見せない男――それが長瀬夏流という男だった。



つづく



*****

始めました! よ!
終わってないのに。
ようやく起承転結の転にかかろうか、というところなのに。
週一の連載でも許してもらいたい。
終わったら早く更新したい。
それまで皆様、夏流と貴弘をよろしくお願いします。

しかし、今モーレツに、40と30男のリーマンが書きたい・・・
高校生なんて書いてる場合か!
ていうくらい。
(夏流を高校生のくくりに入れていいのかはおいといて)
まぁちょっと我慢できず書いちゃいましたけど。
覚書、というふうには思えないほど第一話をがっつり。
これも、いつか更新したいです。
お披露目できる日がくるかな・・・

今年の私は一味違うぜ。
と、言えるように頑張ります。
いろいろと。

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【2012/01/11 20:49 】 | 夢を喰う獣 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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