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毎日を噛みしめるようにして、最後を迎えようと 気付けば明日、王さまは王さまを辞めてしまわれる。 ご生誕祭とその発表をされるのとで、 それも落ち着いたのは深夜になってからで、 私は式を進める祭官さまから何度も話を伺い、 ようやく落ち着きを見せたような王宮が、 「テロリストだ!」
誰かが叫んだ言葉を、私は一瞬なんのことか理解出来なかった。
しかしバタバタと慌ただしく走る衛兵や、 「突然後宮の中に武装集団が現れたらしい」 「逃がすな! 門を固めろ、進入路を確かめろ!」 怒鳴り合う声が行き交う中、私は何故か閃いた。 噴水だ。 巨大な噴水のある池からの排水は、 その排水溝も大きく、水が流れていないときは いったいどれほどの規模のテロなのかは解からないが、 自室で私を待っているはずの王さまの姿しか思い浮かばず、 王宮に入り込んだテロというのなら、 王さま。 王さま王さま。 心臓が爆発しそうなのは、全力で走っているからではなかった。 私は泣きそうになるのを必死に耐えて、王さまの部屋まで駆け抜けた。 「王さま!」 中のことなんて何も考えず、私は扉を力いっぱい開けた。 PR |
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