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中に入ったとたん、私は硬直した。 一歩部屋へ入った私の横をドアが音もなく閉まっても、 大きなソファは王さまのお気に入りだ。 そこにいつものように座る王さまに、いつもはいない男が二人。 覆面をしたテロリストだった。 両手で持つ銃を構え、一人はその先を王さまの頭に向けている。 室内の三人から見つめられていたけれど、 しかしいつまでもこうしていても状況は変わらないのだ。 私は何度か大きく息を吸い込み吐き出し、 「要求は・・・なんですか。何でも伺いますから、 「我々の目的はひとつ」 王さまに銃を向けた男が言った。 覆面をしているせいか、くぐもった声になっている。 「この国の政治体制を変える。そのために、 憂国? 国の未来? 王さまの頭に銃を向けておいて、 私はテロリストの言葉を馬鹿げているとしか思わなかったが、 私は一度頷いた。 「この国を想うあなた方の気持ちは解かりました。 一度も揺らぐことなく、私は言い切った。 この言葉に何の偽りもない。 王さまが王さまでなくなるのであれば、 だけど王さまが殺されることを考えたら、 倒れる王さまなんて、見たくないのだ。 もう一人のテロリストが私を真っ直ぐに見詰めた。 「この王は、明日引退するのに、命を守るのか?」 PR |
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