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「あー、この子名前なんだっけ」
仕事帰りに寄った辰彦が、つけっぱなしのTVに映った アイドルを見て呟いた。 「えーとほら、なんかドラマもしてただろ?」 「そんなこと訊かれても、辰彦も覚えてないのに 僕が知ってるはずないじゃないか」 なんとなく、顔は解かる。 最近よくTVに出る、たくさん女の子のいるグループのひとりだ。 好きな俳優とかならともかく、ひとりで売り出されているとかなら ともかく、こんなにたくさんの女の子の名前を覚えろって いうほうがおかしい。 「そうだけどな」 「この子がなにかあるの?」 「いや、なにかってわけでも言いたいことがあるわけでもないけど、 思い出せないとなんかこの辺りがすっきりしない」 このあたり、と喉のあたりを指しながら言われても、僕になにが 出来るはずもない。 「ただいま」 ちょうどそのとき、仕事から帰ってきた航さんがリビングに入ってくる。 「おかえりなさい」 「先輩! この子の名前なんでしたっけ?」 僕の声にかぶさるように、辰彦がTVを指す。 そんなこと、航さんに訊いたって仕方がないのに。 そう思ったのに、航さんはまだ映っていた画面のアイドルを見るなり、 「××××(好きな名前をいれてください/笑)」 あっさりと答えた。 ぽかんとしたのは僕だけではなく、答えなんて期待してなかった 辰彦もだ。 航さんはそれがどうしたと言わんばかりにネクタイの結び目に 指をさし込み寛ごうとしている。 「先輩? これは?」 驚いたまま、辰彦は自分の鞄から雑誌――週刊誌だ――を 引っぱり出し、その中の見開きにいたアイドルグループを見せた。 件の女の子のいるグループ勢ぞろい――だと思う――の写真だ。 航さんは少し見てから、辰彦の指さす順番通りに淀むことなく 名前を言い当てた。 言わせておいて、辰彦は不思議そうな顔で航さんを見る。 「航太郎先輩・・・いい歳してファンだったとは思いませんでしたよ」 その声はからかう気満々だった。 でも航さんは呆れた顔で溜息を吐いて、 「一度見た顔は忘れないんだよ。職業病だな」 「いったいどれだけメガメモリなんすか?」 「そのうち許容量がいっぱいにならないかと最近不安になる。 消去する方法を教えてくれ」 軽口を言い合うのを見ながら、僕もほっとした。 でも――これだけは聞けなかった。 航さん、いつあのグループの名前覚えたんだろう? ****** 勢いで書いちゃいました。 勢いってコワイネ! ちなみに私は、アイドルの名前はさっぱりです! 覚えようとも思いませんが、TV見ても全然わかりません! みんななんでそんなに解かるのかが不思議・・・ そもそも、ひとの顔覚えるのが苦手で苦手で・・・ 1回や2回会ったくらいじゃ、覚えられないんですよねー ほんとに。困ったな。 先日、車が変わったときに(代車中)知らないおじさんに、 「車かえたの?」とコンビニの駐車場で声を掛けられました。 「ぶつけられて修理中なんですよー」と笑い返したものの。 おっさん、誰だ? 全然知らないひとだと思う・・・んだけども。 だけども? 最近仕事でたくさんの人と会うので、どうやってひとの顔を 覚えられるのか、航太郎、教えてください! PR |
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