忍者ブログ
  • 2025.05
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 2025.07
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【2025/06/17 09:02 】 |
王さまをやめる日 12

どういうことだろう。

質問する目をいったいどこに向ければいいのか一瞬解らなかった。

なにしろ銃を向けられた王さまと銃を持ったテロリストが
まるで今日の予定を話すように普通だったからだ。

私を「お前」と呼ぶ気安い雰囲気を持つテロリストは、
もう一度肩を落とすように息を吐いて銃を片手に覆面を取った。

私は素顔を見て、テロリストが王宮を襲ったと聞いたときより目を開いて驚いた。

「――兄さん?!」

片眉を上げて苦笑する顔は、最近会うことも少なくなったけれど
見間違うことなどできない兄の顔だった。

そして王さまに銃を向けていたテロリストもそれを肩に上げ、
乱雑な様子で覆面を剥いだ。

その素顔に、私は開いた口が閉じることが出来なかった。

最初から最後までソファで寛ぐ、王さまそっくりだったからだ。

服装はテロリストそのもので、髪も少し長めだしどちらかというと
王さまより精悍な雰囲気があるが、やはりどうみても王さまだった。

私は息が止まるほど驚いたものの、必死で頭を働かせる。

王さまと同じ顔だ。

考えて、ありそうな事実はひとつしかない。

産まれてすぐに存在を消されたという王さまの双子の弟だ。

しかし私は今まで王宮で、王さまの弟が
生きているということを聞いたことがなかった。

ただ似ているという、まったくの他人なのだろうか。

動揺に揺れるも、その考えが真意でないと私は
どこかで知っていたのは、王さまの顔がとても穏やかで、
そして兄が事情を教えるように笑っているからだ。

「まさか――」

嗄れる声で確かめようとすれば、王さまがとても楽しそうに笑われた。

「あの優しい父が、自分の子供を本当に殺すと思うかい?」

私は王さまのお父上を間近では知らないけれど、
王さまのお父上なのだから、
王さまのいう通りなのだとあっさりと納得してしまった。


つづく

PR
【2011/01/16 12:35 】 | 王さまをやめる日 | 有り難いご意見(2) | トラックバック()
<<王さまをやめる日 13 | ホーム | 王さまをやめる日 11>>
有り難いご意見
テロリストと
兄さんに激しくもえる…むしろクールな関係なら尚良い!
【2011/01/16 14:13】| | 旭陽 #92c7461387 [ 編集 ]


イヒ☆
クールですよ。
とってもクールな利益を第一な関係ですよ。
そのはずですよ(笑
【2011/01/17 16:09】| | 秋野真珠 #56b8814340 [ 編集 ]


貴重なご意見の投稿














虎カムバック
トラックバックURL

<<前ページ | ホーム | 次ページ>>