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王さまは受け取らない私にむくれた顔をされたけれど、 王さまのいない王宮で、王さまに頂いたものを眺めて暮す。 私はそんな自分が想像できなかった。 王さまがいなくなった後、私はどうするのだろう。 胸にいっぱい広がった不安を押し殺すように、 「そんなことより王さま、後宮の庭でちょっと・・・」 「ええ? まだ朝早いよ。私は徹夜明けなんだよ、 「徹夜されたのは王さまのご勝手ですが、 文句を言い連ね不機嫌な顔の王さまに着替えを渡し、 毎日のことと思っていたけれど、これも考えればもう少しのことなのだ。 もっとゆっくり、ひとつひとつを忘れないように時間をかけてしまいたい。 しかしそうすると、王さまのいない場所で私は それはなんて辛いことなんだろう。 王さまのいない場所で、王さまを忘れて暮すのか、 どちらが苦しいことだろうと私は真剣に考える。 王さまの服を着た王さまは、誰より似合っている王さまだった。 一度も言ったことはないけれど、毎日見惚れているのが事実だ。 この先も言う予定はない。 また見惚れている私に王さまは振り返り、私は仕事を思い出した。 「それで、朝早くからなにがあったんだい?」
「噴水の水が止まってしまったそうです」 つづく PR |
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