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【2025/06/17 14:24 】 |
シンデレラの時間 2

私が乗るとドアが閉まって、反対側から傘を畳んだ彼が乗り込んで来た。
「行先は?」
「え?」
傘を横に避けて、私をまっすぐに見つめてくる人は
本当に恰好良くて、ただ聞き返してしまった。
「行先は?」
「え? 行先って・・・あの、どこに?」
押されるままタクシーに乗ってしまったが、行先なんて私が知ってるはずがない。
「どこかへ行く途中で雨宿りしていたんだろう? 行先まで送る」
「で、でも、私は・・・」
「デートかパーティか、どこへ?」
「同窓会に・・・あ、いえ、そうじゃなく」
ワンピースなんて着てるから、そう思われたのかもしれない。
だけど、初対面の人がそんなことまでしてくれるなんて何でなんだろう。
私はこの人の意図が解らず、でも悪意とか私に何かしようとか
いうものは感じられなくて、困ってただ笑った。
「行くの、止めようと思ってたとこでしたので、いいです」
「なぜ?」
なぜ、と聞かれても困る。
「汚れたからか」
「いえ、そうじゃなく・・・」
かかった水なんて汚れに入るものじゃない。
どう言ったらいいのか、私は考えた。
もう同窓会に行こうなんて思ってない。
だって行ったところで、きっともっと面白くなくなって帰ることになるだけだ。
近くの駅で下してもらおうと顔を上げると、ちょうど車が止まった。
「え? あれ?」
どこだろう、と外を確認していると、隣に座っていたはずの人が
外からドアを開けて傘を差して待っていてくれた。
「どうぞ」
「えっえ?」
狼狽えても、また彼の背中が濡れている。
傘の下に手を差し伸べられても、そんなことをされるのも初めてで、
取っていいのかどうかも解らない。
途中まで出した手を伸ばせないでいると、大きな手が私の手を
包んで強い力で引っ張った。
「あの・・・?」
また傘の下で背を押され、私はそのまま歩くしかない。
どこへ行くのかと隣を見上げると、視線に気づいたのか少し俯いて笑った。
笑顔がすごく素敵で、私はきっと顔が真っ赤だ。
彼が傘を畳んだのは大きなデパートの中に入ってからで、
私は改めて見て戸惑った。
前を通ったりちらりと覗いたことはあるけど、私には敷居の高い
デパートだったからだ。
「服を汚した責任は取る」
「あ、あの、私、汚れてませんから、気にしないでください」
「俺が気にする。それに――あまりその服は似合ってない」
不遜なほどはっきり言われて、私は返す言葉がなかった。
似合ってない――そうかもしれない。
私の持っている服の中で一番綺麗で高い服だったけど、
似合ってないのも事実だと思う。
俯いたまま、隣に立つ人に押されるまま歩いたけど、
入って行った店に足が竦んだ。
不安になって隣を見上げると、彼は平然と店のスタッフを呼んだ。
「彼女に合う服をいくつか選んでくれ――靴も、全部」
「はい」
にこやかに受け答えたのはスタッフの女の人だ。
私はただ驚いて彼とスタッフを見比べた。
はいって、そんな簡単に答えているけど、私のことを話しているんだよね?
私抜きで。
いったいこの状況はどういうことだろう。
さっきまで雨の中足を止めて家に帰ろうとしてたのに、どうして私には
不相応な店で似合うとも思えない服を着せられようとしてるのだろう。
狼狽える私を、店のスタッフはにこやかに連れて行こうとする。
なんていうか、すっごく怖いんですけど。
本当について行っていいのかな。
振り返ると、私をここに連れてきた彼が目を細めた。
私の不安なんて奥まで見抜いて、すべて受け入れてくれるような笑顔だった。
そんな顔をされると、何も言えなくなるんですけど。
試着室に入れられた私が見たのは、綺麗に磨かれた鏡に映った真っ赤な私だった。


***

まだ続きます。
てゆうかですね。
今書いてるこの画面がですね。
なんか変なものが出てくるんですよ。
打ち込むそばから予測変換というかなんとうか。
正直。
邪魔であります。
あ。
なんか頑張っていろいろつついてたら消えました。
しかしなんじゃろうなー。
この子、反応が遅いのであります。
今一文を打ち込んで最後の丸まで一気に入力したんですが
画面上に出てくるのが遅い!
間違ってるのかどうのなのか解かんないよ!
容量はいっぱいあいてるはずなのに、なんでこんなに
遅いのかなぁー
機械って本当解からない。

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【2011/09/07 12:26 】 | SS | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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