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普通の仕事をして、誰から喜ばれることもない日常業務だと思っていた。
だけど僕は、村瀬から褒められたことでひとつ勇気を貰った。 今まで、28年生きてきて、一度も持てなかった勇気だ。 何故か今なら大丈夫な気がした。 僕はゲイだ。 しかし会社も友人も、誰も知らない。 当然だ。 ずっとずっと、普通の男に見えるよう細心の注意を払ってきた。 学生の頃、女の子と付き合っていても同性のほうが気になった。 そこでようやく、僕は自分の性癖に気付いたのだ。 それ以来誰かと付き合ったことはない。 なにしろ、自分と同じ性癖の人と会ったことがない。 友達は友達で、僕の中で恋に移行することがなかったから 相手が本当にいなかったのだ。 僕の相談相手はネットの中だけだった。 ゲイサイトのひとつに僕は登録して、そこの中の彼らからいろんな情報を貰う。 彼らはとてもいい人ばかりで、いろんなことを教えてくれるけど、 実際に僕を動かす力にはならない。 そんな僕が今、決心して立っているのは僕のような性癖の人間が集うという場所だ。 それだけで、緊張する。 確かに男が多くて、誰もかれもそう見えるけど、だから僕にどうにかできるはずもない。 僕はポケットの中からメモを取り出し、場所を確認した。 ネット仲間に教えてもらった、行きつけの店だ。 「レーズン」という店に行ってどうするかはまだわからないけど、 行ってみようと思うことが出来た。 僕はそれだけでここにいる。 夜も深く、周りはネオンと人混みだけだ。 どっちだっけ、と周りを見渡したところで、背中にどん、と衝撃を受けて 弾みで手の中からメモが落ちる。 「ごめん!」 僕が振り向くより拾うより早く、誰かが僕の前に屈みこんでメモを取った。 「悪い、ちょっとケータイ見てて」 余所見していた、と謝りながら笑う男の人に、僕はすごく驚いた。 何しろ、村瀬の格好よさにも驚いたが、目の前の彼もとても素敵な人だったからだ。 「ごめん・・・大丈夫か? どっか痛めた?」 驚いて反応のなかった僕を覗き込むようにされて、僕は慌てて一歩下がる。 「いえ! あの、大丈夫です、すみません」 「君が謝ることはないだろ?」 そう言って笑う彼はとても魅力的だ。 彼には老若男女関係なく落ちるに違いない。 「いいえ、あの、ぼうっとしていたので」 「こんなとこでぼうっとしてるとその辺に引っ張り込まれるぞ。この店に行きたいの?」 彼は物騒なことをサラリと言って、メモと僕を見比べた。 頷くと、彼は少し考えた。 「こうゆうとこ、初めて?」 「え?」 どうしてわかるんだろうか。 キョドってるのがわかったのだろうか。 「誰かと寝たい?」 「・・・ええ?」 はっきり言われたことに、さらに驚くと、彼は頷き僕の手を取った。 「違うなら、この店は止めたほうがいい。客筋は悪くないけど、 その日の相手を探すヤツが多い」 「・・・はぁ」 そういう店が本当にあることにも驚きだ。 しかし、取られた手のほうがもっと気になる。 だけど僕には振り払うということは思い浮かばない。 「いい店があるよ。これから俺も行くんだけど」 「あの」 「普通のゲイバーだったんだけど、いつの間にか常連専用ってか、 一見お断りになったんだよなー。だから安心して、あ、名前なに?」 「お・・・岡、与之幸です」 僕は答えるだけだった。 彼に腕を取られているとはいえ、付いて行かないという選択肢は 僕の中のどこにもなかった。 「俺は春則。よろしく、ヨシユキ」 彼の名前がわかって、僕はすごく嬉しくなった。 ***** もういっこ続きます。 まぁここで終わってもやーよね。 ガンバレヨシユキ。 君の未来は・・・とりあえず、タイトル通りだ(笑 このはっきりしない天気がやーです。 もう湿気がや。 話し始めて終わらないおっさんもや。 私は次の現場に行きたいのよ! と何度も帰りを促すのにどうして話を辞めないの。 戻すの。 ねぇループしてるよ。 おっさん気付いてよ! はーこれも仕事・・・でも日照時間も稼働時間も 決まってるんだから頼むよ。 PR |
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