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【2025/08/22 12:56 】 |
王さまをやめる日 9

毎日を噛みしめるようにして、最後を迎えようと
気持ちを落ち着けていても、時間はあっという間に流れてしまった。

気付けば明日、王さまは王さまを辞めてしまわれる。

ご生誕祭とその発表をされるのとで、
王宮は用意に慌ただしくなっていた。

それも落ち着いたのは深夜になってからで、
最終確認や段取りの確認などをしてしまえばもう明日を待つのみだ。

私は式を進める祭官さまから何度も話を伺い、
王さまに確認していだこうと王さまの部屋へ向かっていた。

ようやく落ち着きを見せたような王宮が、
再び騒がしくなったのはその時だ。

 

「テロリストだ!」

 

 

誰かが叫んだ言葉を、私は一瞬なんのことか理解出来なかった。

 

しかしバタバタと慌ただしく走る衛兵や、
逃げているのか確かめようとするのか人が
行き交うのを見て、事態を理解する。

「突然後宮の中に武装集団が現れたらしい」

「逃がすな! 門を固めろ、進入路を確かめろ!」

怒鳴り合う声が行き交う中、私は何故か閃いた。

噴水だ。

巨大な噴水のある池からの排水は、
そのまま王宮の外へ流れ出る。

その排水溝も大きく、水が流れていないときは
大人が平気で通れるほどなのだ。

いったいどれほどの規模のテロなのかは解からないが、
私が思ったのは王さまのことだけだ。

自室で私を待っているはずの王さまの姿しか思い浮かばず、
私は走りだした。

王宮に入り込んだテロというのなら、
目的のひとつは王さまのはずだ。

王さま。

王さま王さま。

心臓が爆発しそうなのは、全力で走っているからではなかった。

私は泣きそうになるのを必死に耐えて、王さまの部屋まで駆け抜けた。

「王さま!」

中のことなんて何も考えず、私は扉を力いっぱい開けた。


つづく

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【2011/01/04 11:52 】 | 王さまをやめる日 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
新年が始まった模様です
正月なにしてたかってーと、ほとんど
テレビ見てたような気がします。

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

去年の最後に、我慢する、とか書いてるのに・・・
結局我慢出来ない子なのかも?
いやいや、ううん。
だって我慢出来なかったのは去年だもの。
今年からは我慢できる子に・・・!!
おみくじは半吉で微妙でしたが。
川の流れに身を任せればそのさきには・・・なんて
ことが書いてありましたが。
後厄なのでお参りに行ったけど時間の都合で
お札だけ貰おうとしたらなんか無理言ったつもりは
ないのに普通1時間待つところ10分ほどで渡されて
しまったりして、うーん、本当になんでそんなに早く
渡されたのか解からない。
別に文句言ったわけでもないのに。
なんだかあまりに早く渡されてしまったので、ご利益が
あるのかないのか微妙だったので代わりに高い破魔矢を
買っておいたり。
財布の小銭をほとんどお賽銭にいれておいたり。
した最上稲荷へのお参り。
2日にまめと行きました。そしてあとで旭陽さんと岡山で
会って結局話して終わりました。
それ以外、今年はずっとおうちからでてません。
まー雪が降ってたってのもあるんですが。
本日からちょっと仕事を始めようと思い、動いてます。

そんでなんか外れようともしてるけど戻そう。
我慢の出来ない子、の話。
それはもう去年のこと・・・とあるものを、去年の夏に買ったので
そのローンが終わるまで高いものは買わない、と決めてたのに。
なんだか。
むしょーに。
欲しくなって。
雪も吹雪く30日、ひとりで行くには心元なかったので
寝ていた弟を起こして運転手になってもらい、
電気屋さんへ向かッちまいました・・・!!

新しい子は黒いノートのバイオくんです。
中身がからっぽでガツガツ詰め込んでもいい子を
選びました。
うう、天からの声が聴こえる・・・
またか!
て。
何台目だ!
て。
いやでもね。
新しい子は良く働いてくれるんですよ。
本当に頑張り屋さんで。
古い子が本格的に壊れた、と思ったので仕方なく
なんですよ。
古い子は先輩に中身を空っぽにしてあげる予定なんですが。
(なんでも使い道があるそうで)
しかしいろんなところが駄目になって、引っ越しソフトも
受け入れてくれず、この中に入ってる巨大なプログラムとか
CDメモリーは・・・新しい子を買うと決めた瞬間に諦めました。
先輩、そんな子でもいいですか?
最後まで看取ってあげてください・・・

そんな去年の終わりでした。
今年は・・・今年こそは・・・
この衝動買い精神をどうにかしたいと思ってます。
思います。
本当に。
頑張ります。

とりあえず、王さまをちゃくちゃくと進めます。

こんな秋野ですが、今年もみなさまよろしく
お付き合いください。

【2011/01/04 11:50 】 | 日々精進 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
今年も終わりですなぁ
今年最後の日記になります。
おかしいなー王さまを終わらせる予定だったのに。
どうしてこんなにのびたんだ。
来年早々に続きます。

今年の年末はいい。
昨日の夜から父と母、そして姪が姉のところへ
行ってくれたのだ。
おうちには私と弟だけである。
その弟も夜は常にいないので(飲み会とか消防とか飲み会とか)
私は心行くまでひとりを満喫できるのだった。
のんびりしよう。
自分の部屋を掃除したり、布団を干したり、DVDを見たり
本を読む。
そしてにゃんにゃにご飯をあげる。たくさんあげる。
そしてそして、書きたかった話を書こう。
暖かい茶の間にパソコンを持ってきてだらだらしながら
書くんだ。
はー幸せの予感。

とりあえず、さっき今年最後の仕事も終わりました。
来年は早々に始めなければならない仕事が
(来年にならないと出来ないのでもう今年は手を
付けられない)あるので、あと3日、のんびりします。

しかし今年も本当に終わりますね。
いったいいつの間に終わってしまうのか。
やらなければならないこと、したいこと、仕事もプライベートでも
沢山あるけど、それが全部満足して終わってるわけじゃない。
終わってないのに今年が終わる。
時間は無常だ。
ほんとに。

来年も全力でがんばりたい。
全力を出すことをがんばりたい。
自分を誤魔化さず、一生懸命やっても・・・報われることが
ないということは知っている大人なのですが、
それでもしなきゃどうにもならないので、
がんばります。
あー宝くじあたんねーかなーと思ったけど、忙しくて
今年も買い忘れてまた夢となった今年の終わりでした。

来年もこんな私をよろしくお願いします。
【2010/12/29 11:58 】 | 日々精進 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
王さまをやめる日 8


今は誰も入っていらっしゃらない後宮には、
大きな庭園がある。

その真ん中、この王宮の真ん中になると言ってもいい場所に、
大人が泳げるほどの噴水がある。

大人が泳げるほどの、というのは比喩ではなく、
大人になった王さまが泳いでいらっしゃったから事実として言う。

噴水から汲み上げられた水は噴水の周りの池に溢れ
そのまま排水溝を通り王宮の外へ流れ出る。

それが急に止まってしまったのだ。

王さまを庭にお連れしたとき、
私は初めて水が溢れていない噴水を見た。

すでに噴水の周りは王宮の人間がいて、
原因を確かめようと必死だった。

「おや、本当に止まっているね」

王さまののんびりした声が不釣り合いに聞こえるほどだ。

担当者が頭を低く低くして謝り、すぐに直しますと
必死になっているのに、王さまは噴水を見ただけで首を横へ振られた。

「別にこのままで構わないだろう」

「なんとおっしゃいます?」

「この噴水は私が生まれたときから水で溢れていた。
水のない噴水も新鮮で、それを見ながら終わるのもいいだろう。
別に誰も困らないんだ。このままにしておいてくれ」

「そんな!」

一様に口々に困惑を表しても、こう決めてしまった王さまに
何を言っても無駄なことは誰もが知っている。

私は溜息を吐いて、止まってしまった噴水を改めて見た。

大きな噴水と池だった。

こんなことなら、王さまがここで泳いだときに誘ってくださったことを
断るんじゃなかったと私は後悔してしまった。


つづく
【2010/12/29 11:49 】 | 王さまをやめる日 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
王さまをやめる日 7


「お前にあげようと思って頑張ったのに」

王さまは受け取らない私にむくれた顔をされたけれど、
私にも我慢出来ることと出来ないことがある。

王さまのいない王宮で、王さまに頂いたものを眺めて暮す。

私はそんな自分が想像できなかった。

王さまがいなくなった後、私はどうするのだろう。

胸にいっぱい広がった不安を押し殺すように、
私は朝早くに王さまを起こしに来た用事を告げた。

「そんなことより王さま、後宮の庭でちょっと・・・」

「ええ? まだ朝早いよ。私は徹夜明けなんだよ、
これからもう一眠り」

「徹夜されたのは王さまのご勝手ですが、
お仕事です! さあ早くお着替えください」

文句を言い連ね不機嫌な顔の王さまに着替えを渡し、
急き立てて衣服を整える。

毎日のことと思っていたけれど、これも考えればもう少しのことなのだ。

もっとゆっくり、ひとつひとつを忘れないように時間をかけてしまいたい。

しかしそうすると、王さまのいない場所で私は
王さまのことだけを想い暮すのだ。

それはなんて辛いことなんだろう。

王さまのいない場所で、王さまを忘れて暮すのか、
王さまを想い暮すのか。

どちらが苦しいことだろうと私は真剣に考える。

王さまの服を着た王さまは、誰より似合っている王さまだった。

一度も言ったことはないけれど、毎日見惚れているのが事実だ。

この先も言う予定はない。

また見惚れている私に王さまは振り返り、私は仕事を思い出した。

「それで、朝早くからなにがあったんだい?」

 

「噴水の水が止まってしまったそうです」


つづく
【2010/12/28 12:13 】 | 王さまをやめる日 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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