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【2025/08/22 21:37 】 |
まんじゅうこわい


もーれつにお汁粉が食べたくなりました。
でも早々にお汁粉なんてあるはずもなく。
コンビニのつぶあんまんで我慢してみた。
1個じゃ足りず3個食べた。
飲みものはホットカルピスのもも。
ちょっと気持ち悪くなりました・・・

でもまだ足りぬ。
お汁粉が食べたい!
お湯を入れるインスタントのやつは
お汁粉とは認めません。
あんこがいっぱい入って汁気の少ないやつが。
んでもってお団子じゃなくお餅です。
焼いたお餅がいい!
そんなお汁粉はないかな・・・ないか。
誰か作ってください。

しかし私はあんこが好きだ。お饅頭が好きだ。
いったいいつからこんなにあんこが好きに
なったんだろう?
子供の頃は普通にあんこは苦手で、おはぎも
きな粉派だったんだけれども。
今では立派にあんこのおはぎを選ぶ。
大手饅頭(岡山銘菓。めちゃくちゃ旨い)とか
北天饅頭(津山銘菓。本当に旨い)が止まらなく
なってしまったのはいつじゃったか。
どちらも温めて食べても美味しい。(しかし後者は
津山でしか売ってない。一店舗経営で販売制作も
そこでしかしてない。賞味期限が早いのであまり
お土産にも出来ない)

正直私は抹茶が苦手で。
いや、本格的なお抹茶は好きだ。おまんじゅうに合うもの。
しかし抹茶風味とか、抹茶味とかのお菓子が
受け入れられない。
抹茶かあんこか、と言われれば絶対にあんこだ。
あんこは本当に美味しい。

そして私はパンも好きだ。
味のないパンが好きだ。フランスパンとかドイツパンとか。
始めてフランスアンパンを見たときは、素晴らしい
コンビネーションだと思ったくらいだ。

さらにお餅も好きだ。
豆もちはストーブで焼いて食べると絶品だと思う。
おもちとあんこのお菓子なんて、もう本当に
夢の競演だと思ったくらいだ。
(お土産物屋さんでその土地の栃餅を見たときは
必ず手に取る)

あーお汁粉食べたい。
母に素直に作ってくれ、と言えばいいような
気がするのだが、「おでん食べたい」と言うと
美味しいいつものおでんが出てくるけれども、
そこはうちの母だ・・・いつもと違うものを頼むと
絶対に何か違うものが出てくるのだ。
母にとってのお汁粉は出来るかもしれないが
それは私にとってのお汁粉ではない。
わがままを言うな! と思われるかもしれないが
でも不味いお汁粉を食べるくらいなら私は
夢に見るお汁粉を探して旅に出ようと思う。

普通にご飯は美味しいのだが、いつものルーチンに
ないメニューを頼むといつも違うものが出てくるのが母。
先日隣の部屋で
「パパッパパッパッパ~パパッパパッパッパ~」
と調子はずれに唄っていたので、
パジャマでも探してるのかと思いきや
「ぱんつ~ぱんつぅ~」
阿呆な歌を唄うのが母。

とりあえずそんな母でも、コロッケと酢豚は
絶品だと一応記す。

 

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【2010/11/06 12:38 】 | 日々精進 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
王さまをやめる日 5


王さまは嘘のない方だ。

私と初めてした約束の通り、王さまはとても自分に
誠実で正直で、偽りなどしたことがなかった。

緊張していた私が王さまに、怒って抗うようになったのは
それから1ヶ月もしないうちだった。

なにしろ王さまは、本当に自分に誠実なのだ。

鴨の刷り込みをして雛に自分の後ろを歩かせたい、と
言いだすと、孵化しそうな卵を持ってきて一日中それを
見つめて待っていた。

虫眼鏡で焚き火をしてみたい、と言いだせば、
美しい庭にいくつも焦げ跡を作って回った。

果てにはラクダに乗って砂漠を旅してみたい、と言いだし、
それは無理だと止めるのにどれほど労力を割いたか、
今は思い出したくはない。

思い出し背中をひんやりとしたものが伝い、思わずこぶしを
握りしめた私を、日課の政務に励む王さまが
不思議そうに首を傾げられた。

「どうかしたのか?」

「いいえっなんでも! それよりその書類はご昼食までに、
と伺っております! 出来ないとご昼食は抜きですよ!」

思い出した怒りの勢いのまま積まれた書類を指すと、
王さまはとてもつまらなさそうに顔を顰められる。

「ええーこんなに頑張っているのに! 私は王さまなのに、
どうして馬車馬のように働かなければならないんだ?」

「王さまだから一番働かなければならないんです」

「やっぱり王さまなんて辞めるべきだな」

確認するようにおっしゃられた王さまに、私はもう一度訊いてみた。

「王さま、どうしてそんなにお辞めになりたいんですか?」

「自由がないからさ」

この国で誰より自由にされているような気がするけれど、
あまりにもさらりと言われたせいで私は何も言い返せなかった。

【2010/11/04 12:33 】 | 王さまをやめる日 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
王さまをやめる日 4

私が初めて王さまにお会いしたのは、
もう覚えていないくらい子供の頃のことだった。

私の母が、王さまの乳母だったのだ。

私には兄がいて、王さまと同い年の兄は王さまの
遊び相手として早くから王宮に住み、
私は時々母や兄に会いに王宮に来ていた。

そのときに、王さまと出会った。

王さまは私が行くと、いつも一緒に遊んでくれた。

時々会える王さまはいつも輝いて見え、
ずっと一緒に居られる兄がとても羨ましく思っていた。

兄はずっと王さまの傍にいて、お仕えするものだと
思っていたのだが、大人になったとき兄は商売を
始めると言って王宮を出て市内で暮らし始めた。

王さまの傍にいるのをやめるなんて、どうしてだろうと
私は考え込んだものだが、兄がやめたお陰で私が
今度はお傍に呼ばれたのだ。

それは私が13歳のとき。

王さまが20歳になられたときだった。


王さまのお父様がご病気で亡くなってしまわれた後、
王さまはとても早く王さまになられた。

まだ子供だったはずなのに、王さまは誰より王さまらしく、
戴冠式を離れた場所で見ていた私すら誇らしくなったものだ。

それからずっと王さまは誰より輝いていて、
そんな王さまにお仕え出来ると決まった日、
私はとても緊張してうまく話すことすら出来なかった。

まだ子供のままだった私に、王さまはとても優しく微笑んでくださった。

「私はお前の信頼を得るために、自分に誠実であろうと思う。
だからお前も私にずっと正直でいておくれ」

私は感激のあまり、泣いてしまった。

その言葉は、私の宝物であり、一生忘れないものになった。


つづく

【2010/11/02 12:34 】 | 王さまをやめる日 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
王さまをやめる日 3


驚いたことに、王さまの「王さまをやめる」ということは
瞬く間に王宮に広まり、それまで連日寄せられていた
縁談がぴたりと止んだ。

独身のままの王さまは、広い後宮に結局最後まで
誰ひとりの女性も入れないまま終わってしまうようだった。

本当なら、来月の生誕祝いの時に相手を決めて
欲しかったのが五老院の思惑だったのだろう。

王さまを補佐し、奉りごとを取り仕切る五老院の方々は、
その権力争いは熾烈なもので、今度は王さまが誰を後継者に
選ぶのか必死に選別していることだろう。

「王さま、次の王さまはどなたなんですか?」

王さまはお生まれになったときから複雑な状況に囲まれた方だった。

王さまがお生まれになったとき、おひとりではなかった。

双子のご兄弟でいらっしゃったのだ。

しかし後々、同年のご兄弟は諍いのもとになると周囲に言われ、
王さまのお父様は産まれたばかりの王さまの弟さまを
消してしまわれたのだ。

王さまのお父様はご高齢であったせいか、
王さま以外にお子様はいらっしゃらないままだった。

従姉の方々はいらっしゃるが、どなたも女性ですでに
ご成婚されている。

王さまはご結婚されていないので、嫡子もいないままだった。

確実なお血筋の方がいらっしゃらない以上、王さまの中に
誰かがいらっしゃるのだと思うのだが、私には想像できない。

王さまは決めてしまわれれば何を言っても無駄なので、
私は王さまが王さまをやめるとおっしゃったことに
反抗するのを諦めて、とりあえずまだ王さまは王さまなので、
いつもの生活をすることに決めた。

「やめる時に言うよ」

「それまで秘密なんですか? でもお血筋からいくとどなたも・・・」

「確かな人がいるよ」

王さまは自信満々に笑われる。

「きっと私なんかよりも、立派な王さまになるだろう」

王さまは誇らしげだった。

 

でも私には、頷くことは出来ず、かと言って何を言うことも
出来ず、ただ俯いて暗澹とする気持ちを抱えているしかなかった。


つづく
【2010/10/27 12:13 】 | 王さまをやめる日 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
王さまをやめる日 2


王さまは今29歳だ。

そして来月、盛大に30歳の生誕祝いを執り行う予定になっていた。
今からだともう1ヶ月もない。
王さまは私がお傍に上がってからいろいろと驚くことを
されてきたけれど、今日ほど驚いたことはない。
これを思うと3年前に「象を買ったぞ」といきなりそれに乗って
市中を回られたことや、2ヶ月前に後宮の庭園を園芸農地に
変えられたことなど、どうということもない気がした。

「さん・・・30歳っていうのは、ど、どうしてですか?! 
どうしてやめてしまわれるんですか?!」

王さまは初めてお会いしたときから王さまで、
きっと私が一生を終えるまで王さまなのだろうと思っていた。

誰かがやめろと言ったんだろうか?
いやしかし、王さまは誰かに言われたからといって頷くような方ではない。
何か嫌なことがあったんだろうか?
いやしかし、王さまは嫌なことは元々しない方だ。
私は真剣に考え込んだが、理由という理由が思い浮かばない。
しかし王さまは真面目な顔をした。
「王さまっていうのはね、毎日王さまなんだ。これが」
「・・・はい?」
「休みがないんだよ。つまり年中無休で王さまだ」
当然だった。
この国の王さまなのだから、王さまに休みがあるはずもないのだ。
いったい何を言い出すのかと思えば、私はこのところ多くなった
頭痛に顔を顰めながら、

「お言葉ですが王さま! 貴方が他の小姓をお寄せにならない
せいで、私も年中無休でお傍にお仕えしているんですが!」

私は王さまに仕えることが喜びなので、これといって苦痛なわけでは
ないのだが、こうも悩みが多いと本当に寝込んでしまいたくなってくる。

私の気持ちも知らずに、王さまはとても楽しそうに笑っておっしゃられた。
「だってお前に傍にいて欲しいんだよ」
こんなことを言うから、私は時々、本気で王さまを憎く思ってしまうのだ。



つづく

【2010/10/21 12:31 】 | 王さまをやめる日 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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