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【2025/06/17 07:20 】 |
夢を喰う獣 7
洋平に手を引かれるようにして夏流の部屋に戻った貴弘は、
部屋に入るなり足をぴたりと止めた。
リビングのソファで、寛いで待っていたのは夏流ではなく――
「よお、久しぶりだな、貴弘」
目を細めて笑う、紀一だった。
貴弘が見上げるほどの身長で、ジャケットを着ればすらりとして見えるのに、
実際は流れるように動く肉体をもつ紀一は、貴弘は知らないが
まさしく黒豹と称されるままの男だった。
「紀一さん? なんでここに?」
驚いたのは、何の用もないのに紀一がここにいることだ。
夏流が紀一を嫌っているのは、貴弘は言葉通りに、その身体で知っている。
「あー、別に呼んだつもりはないんだけど、夏流の状態を話したら面白がって」
貴弘を連れて帰った洋平が、ため息を吐きながら諦めた声で言った。
この家の主であるはずの夏流は、テリトリーを追いやられたように
ダイニングのテーブルのほうへ座っていた。
帰ってきた洋平を見るなりその腕を掴み、抱き寄せる。
「洋平、どこへ行ってた。この男をなんで置いていく」
夏流の記憶が中学生だというのなら、もちろん紀一を知らないままだし、
得体の知れない大人であるはずだった。
夏流が紀一を嫌いなのは誰の目にも明らかな態度だったが、
今は警戒心もはっきりと見せていた。
洋平を傍に置いたのもそのせいだ。
「だから、お前をひとりにするのもダメだったから」
「じゃあお前がいればいい」
「そういう問題じゃなく!」
聞き分けのない子供に言い聞かせているようにも思えるが、
貴弘にはじゃれあっているようにも見える。
ここにきて、やはり夏流は貴弘を知らないままで、いったいどうすればいいんだ、
と貴弘が何も言えないでいると、ソファにいた紀一が手を取った。
「そんな顔するなよ、貴弘」
「え、え? そんな顔?」
無理やり隣に座らせて、細い肩を抱き込み腕におさめ、
紀一は人の悪い笑みを浮かべた。
「喰ってやりたくなる顔。夏流の頭がバカになったのは解ったけど、
洋平を俺も取られた。振られたもん同士、イイコトするか?」
体格の差ははっきりとしていて、抱き込まれてしまうと貴弘は本当に身動きが取れなかった。
顎を持ち上げられ、整った顔が近づく。
驚いたままで、抵抗することも忘れた貴弘がどうしたら、と困惑した瞬間、身体が浮いた。
どん、と何かにぶつかって止まった先は、今度は違う男の胸の中だった。
「・・・記憶がないんじゃなかったのか?」
からかうような紀一の低い声に、貴弘は自分が夏流の腕の中にいることに驚いた。
紀一はなんの抵抗もなく貴弘を離したが、貴弘を知らない夏流が、
貴弘を奪うようにして見せたのはどういうことだ、と混乱したのだ。
「知るか。お前の態度が気に入らない。人のうちで好き勝手するな」
紀一が口説こうとしているのが気に入らないのか、貴弘に手を出そうとしているのが
気に入らないのか、どちらかは解らなかったけれど、
貴弘は心臓を強く押されたように呼吸が苦しくなった。

つづく

*****

まだ続きます。
でも書き終ったのでいっきに行きますよ。
今年は水都の年にしようかな。
これは5月の話じゃけど、とりあえず4月だ。
もう書きかけているけど、途中で止めっぱなし・・・
なのを書きたい。
夏流にライバル現る!じゃけど相手にされるのかどうか
どうなのそこんところ?てゆうか脇役好きなので結構
脇役重点でそっちを詳しく書きたい。
てな話になると思います。

どぞよろしく
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【2012/02/29 14:52 】 | 夢を喰う獣 | 有り難いご意見(0)
夢を喰う獣 6
時間だけはいつものように流れて、あたりが夕刻の色になったころ、
初日のメニューを終えようとしていた。
貴弘はぼうっとしていたのは睡眠不足からもきていたのか、
気付けば体育館の床でほとんど寝て過ごしてようやく
顔を上げて意識を取り戻した。
まだはっきりと起きてないのか、眠そうに瞼をこする。
それを一気に覚醒させる声が、体育館に響いた。
「貴弘!」
両開きのドアの真ん中に仁王立ちで立って腕を組んだ男の、
体育館の端まで響くような声に、そこにいた全員が振り向いた。
仁王立ちでいたのはこの学校の生徒ではない。
はっきりと怒りを込めたオーラをまとっている男を、
バスケ部の2年生たちは知っていた。
春杉の先輩であり、夏流の幼馴染でもある、洋平だった。
夏流の傍にいるはずなのに、いったいどうしてこんなところに
いるのだろう、と貴弘は覚醒した目を何度か瞬かせて近づく。
「どうしたの、洋平さん、夏流は――」
「どうしたの、じゃないだろ! お前何で家に誰もいないって
言わなかった?! おかげで昨日引き止められなかったじゃないか!」
「え、ええと・・・?」
状況は複雑だったと貴弘も思う。
洋平は記憶のない夏流で手一杯だし、貴弘を知らない夏流の家に
貴弘がいるのもおかしい。
貴弘はそう思ったのだが、洋平はそんなことは関係ないと言い切る。
「春杉から連絡もらって俺は本気で焦ったぞ。お前になんかあったら、
俺は夏流になんて言われるか――」
「な、なんで? だって、夏流は俺のこと、知らない――ままなんじゃ・・・?」
ならば貴弘の行動は理に適っていると思うのだか、洋平はそういう
ことじゃない、と言い切る。
「夏流がボケたままならなおさらだろ。夏流が正気に戻ったときお前を
ひとりにしたなんてバレたら、どんな嫌味を言われるか・・・」
洋平の言葉に、貴弘は目を丸くした。
夏流が正気に――つまり、失くした記憶を取り戻したときに、だ。
そんなこと、あるのだろうか?
確かに、貴弘には一時記憶が混乱したことがあって、運良くそれが直った。
それは本当に、運が良かった、と貴弘は今でも思っている。
あのまま、夏流を知らないままでいてもおかしくなかった、と今でも怖くなるのだ。
「治るに決まってるだろ。あの夏流だぞ?」
あっさりと洋平に言われて、貴弘は正直首を傾げる。
だが、洋平には治らない、という未来はまったくないらしい。
「今日一日病院言って調べてもらったけど、別に悪いとこはなかった。
健忘症っていうのか、記憶障害はなにかきっかけひとつで治ることが
あるらしいから、放っておいても大丈夫だろ」
その自信はいったいどこから来るのか、貴弘には不思議だったのだが、
いつのまにか貴弘の後ろにいた仲間たちは心から頷いて同意していた。
「んでもって、お前を傍に置いといたほうが早く思い出すだろうから――
連れて帰るけど、異存はないよな?」
貴弘ひとり、釈然としないままだったのだが、仲間たち全員でまた頷かれ、
貴弘は合宿1日目にして夏流の部屋に戻ることになってしまっていた。



つづく

*****


まだまだ続きます。

ちょっと前より、腹を割ろうと頑張っている私ですが。
どうも・・・なかなか割れません。
割るのって難しいなぁ。
本日より、長渕剛が先日テレビでやってた
タオルを使った腹筋をやってみようと思います。
続けばいいな、と思います。
ええ。
この前、友達Sにボードのブーツの向きを直してもらった
んですが、その時に私の着ぶくれた腹を見て。
「腹が出たなお前」
と。
お前に言われたくないわ。
着ぶくれしてるんだよ!
と言ってはみたが実際に腹を触って脂肪が! と・・・
そんなSも自分もやばい、と腹を出した。
「この前70を超えた」と言って、私がやばいなそれは、と
答え、さらに「私は60きてないよ」と言うと。
「当たり前じゃろが!」 と怒られた・・・
え。
まだ60きてないからのんびりしてたんだけども。
30歳超えると、女は下腹が出てくるもんだし。と。
のんきにしてたらだめだったらしい。
腹筋、頑張ります。

【2012/02/19 16:37 】 | 夢を喰う獣 | 有り難いご意見(0)
夢を喰う獣 5
楽しくてならないはずの部活だというのに、
貴弘は無気力に身体を動かしているだけだった。
同じように動いているように見えて、昨日までと
違うことは誰の目にも明らかだった。
「貴弘、どうした? 寝不足?」
「先輩に寝させてもらえなかったんじゃねーの」
心配そうに聞いた岡崎にかぶさるように、佐住がからかう。
この連休中、貴弘が夏流の家に泊まることは全員が知っていた。
貴弘は手にしたボールをじっと見つめた後で、
「・・・ううん、ちゃんと寝た。だって昨日は自分ちに帰ったし」
呟くような声は、しかしちゃんと全員に届いた。
「はぁ?!」
「ちょっと待て、だってお前今お兄さん旅行中だろ? ひとりだったのかよ」
仲間全員から詰め寄られる勢いで問われ、貴弘はただ頷く。
「なんで? ケンカでもしたのか」
でもケンカしても先輩が貴弘を放り出すとは考えられない、
と松島は心配そうに顔を覗き込んでくる。
貴弘はじっとボールを見たまま、少し考えて首を横に振った。
「ケンカ、じゃ・・・ないけど。夏流のとこにいる理由、ないから」
「どういう意味?」
聞かれて、貴弘は何と言っていいのか困惑した。
夏流が、貴弘を忘れた――一言でいえばそうなるのだが、
どうしてなのかは解らない。
貴弘は自分でもよく解ってない説明をして、それに質問をされて
答える形で、仲間に状況を理解してもらえた。
「つまり――先輩はお前のことじゃなくて、3年分の記憶がなくて、
たまたま日本にいた洋平さんが付き添ってる、てことだな?」
鹿内に要約されて、貴弘は頷いた。
「んで、理由は解らない、と」
佐住に念を押されて、もう一度頷く。
「先輩、階段から落ちでもしたん?」
そう聞いた岡崎は貴弘の前科を踏まえてのことだ。
「先輩が階段からって・・・猿が木から落ちるより難しい気がする」
複雑そうな顔で言った松島に、想像できなさそうな顔で
春杉が顔を傾けた。
「あ、んん? 階段から落ちたとか、いうんじゃないと思う・・・
外傷はないって洋平さんが言ってたし」
貴弘は夜にフォローのつもりで洋平からもらったメールの中身を思い出す。
一晩、様子を見て、病院へ行くかどうか決める、と教えてもらってはいた。
「それで、家にひとりだったのか?」
問われて、貴弘は頷いた。
兄夫婦は旅行中なのだから、当然だった。
しかし状況を知れば、友人たちがそのまま部活を
続けさせることは許さなかった。
合宿所でひとり寝てこい、とは言われないが、体育館の隅で
横になっていろ、と言われる顔を貴弘はしていたのだが、
どこかぼうっとしたままの貴弘に自覚はない。
1年生を放っておいて部活を中断していたのに、その下級生たちも
状況を詳しく理解しないまでも貴弘を気遣うように見守ってくれている。
そんなに、自分はおかしいのだろうか。
貴弘は言われるままにタオルで顔を隠し、ひんやりとした床に転がった。
夏流が自分を覚えてない――知らない、と言われて、あんなに
冷たい目で見て、洋平にはびっくりするくらいの笑顔で話す。
あんな夏流は、貴弘も知らなかった。
なんだかうまく自分が機能していないような気はしていた。
しかし、何がどうおかしいのか、説明するのは難しかった。



つづく

*****

いつまで続くのか・・・まだ続きます。

最初に結果報告。
去年の秋に受けた試験。

落ちました。

はーなんだかすっきり。
いや、悔しいけども、努力が足りないってことじゃね。
もう一回頑張ります。
はい。

そしていいことは、私の赤い子、帰ってきました。
台車は新しく、性能のよい子だとも思うけど、
やっぱり自分のが一番です。
これで雪道も凍てた道も全力で走ります!

【2012/02/04 21:14 】 | 夢を喰う獣 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
夢を喰う獣 4

「今説明しただろ、この子は貴弘、お前と付き合ってるんだ」
洋平は呆れながらも強く夏琉を睨む。
そして微かな接触で倒れそうなほど足元がおぼつかなかった貴弘を、
しっかりと肩を抱き寄せてくれる。
どうして洋平が一緒に暮らしていないのか、今までどうしていたのか、
ひと通りは説明した、と洋平は言うが、夏流の顔はそれに納得しているとは思えない。
そもそも、自分の記憶がなくなった、という自覚はないようだった。
「・・・俺が? これと?」
これ、と言われたことに、貴弘は顔を俯ける。
それでも全身を見られているのを感じ、洋平の傍でさらに小さくなった。
「・・・どこが良かったんだ?」
そんなこと、貴弘自身が聞きたいことだった。
「なーつーる!」
貴弘の傍にあった温もりが離れ、そのまま夏琉へと移動し、
洋平は気安くその頭を叩いた。
思わずそれを見てしまった貴弘は目を見開いて驚いた。
夏流に手を上げる――たとえふざけてでも、そんなことをしている誰かを
見たことがなかったからだ。
しかし叩かれた夏琉は怒るわけでもなく、その手を取り表情を変えた。
その変化に貴弘は頭の中が真っ白になった。
夏流が、笑ったのだ。
美しく、誰もを凍らせるような笑みではなく、いつも貴弘を魅了する
熱を溶かしたような微笑みでもなく、そこにいるのはただの無邪気な
子供のような笑顔だった。
「叩くなよ、バカになる」
「もうバカになってんだよ、お前は」
じゃれ合う、というのが正しい二人の掛け合いに、貴弘は今まで
築いてきたものが砂のように崩れていくのを感じた。
「俺のどこがバカだって? いや、俺のことはいい、お前のことだよ、洋平。
なんで俺の傍にいないんだ?」
「だから、さっき説明しただろ?」
「あんなので解るか、もっとちゃんと説明しろ」
手を取り慣れた調子で言い合う二人に、貴弘は震える声を
動揺で殺しながら口を開いた。
「あ、の・・・」
肩に下げていたスポーツバッグを強く握り締め、凍ったような顔を
歪めるようにしながら口端を上げる。
笑ったように見えるだろうか、と思いながらも、貴弘はそれしか出来なかった。
「俺、帰ります」
「え、ちょっと待て貴弘、こいつにも一回説明するから――」
「知らないなら」
洋平が引き止めるのを、貴弘は強く遮った。
「・・・夏琉が、俺を知らないなら・・・仕方ないから」
仕方ない。
そうとしか言えなかった。
確かに、この場合はそれが正しいものだった。
仕方ないのだ。
夏流が、貴弘を知らないというのだから。
ここに居場所がないのは、貴弘のほうだった。



つづく

*****

まだまだ続きます。

頭が痛い・・・風邪じゃろうか?
このクソ寒いのに髪を切ったから?
ボブショートから、こんなになりました。

93e7f767.JPG










めちゃくちゃすっきりです!
あーさっぱりした!
やっぱりショートはいいです。

カットをお願いするのは私が信用している腕の良い
美容師さんで、カットは絶対この人です。
いつも楽しく話をするんですが、
「普段、結婚してない30代の女性のお客さんって
話題に結構気を使うんじゃけど、真珠ちゃんは
まったく、なんにも気にせず話せて楽しいわー」
と言われました。
いつも楽しそう。
めちゃくちゃ楽しそう。
私の仕事量がどれほどなのか、この人は知っているの
ですが、それでも私が楽しそうだと。
それもそのはず。
だって楽しいもん。
毎日、日々、いろんなことがあるし、嫌なことだって
たくさんあるけど、でもそれをずーっと気にして考えて、
人生つまんなくして何が面白いの。
それより、もっと楽しいことうれしいことがたくさんあるはず。
やりたいことやって面白いこと考えてたいよ。

やりたいこと我慢しない大人になれた、自分に万歳。
我慢しないので、今日はコンビニでこれを買いました。

1a5af7c8.JPG










うひ☆
大人買いっていいなぁ。
これ全部そろえるのに、5セットあったんですが、
大人ですもの。
一気に全部購入です。
完成したので、棚にセット。

1d3a4080.JPG








高さがたりず一番上になりましたが、このあたりは
これからももっといろいろ増えると思います。
だって我慢しない大人だもの!
【2012/01/29 17:43 】 | 夢を喰う獣 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
夢を喰う獣 3
「きおく・・・そうしつ――?」
それはいったいなんだ、と貴弘は理解出来ずそのままに訊き返したが、
洋平は始終無言の夏琉に肩を下ろし、
「いや、完全に失くしたわけじゃないみたいでね、ちょうどこの3年分くらいが
綺麗になくなってるらしい」
「え・・・えっと、つまり」
貴弘は動揺しながらも、無表情に不機嫌な夏琉と困惑顔の洋平を見比べる。
「つまり、こいつの頭の中は今中三だ」
「ちゅ、うがくせい?」
中学生の夏琉、というものが貴弘には想像出来ず、ただその症状は
何となく自分にも覚えがある、と少し不安になった。
「夏琉、どっかで頭でもぶつけたのか? 寝ぼけて転んだとか?」
まさか夏琉が階段で落ちた、などとは思わなかったが、
瞬間に射抜かれそうなほど強く睨まれ、一歩下がるほど怯えた。
不機嫌で怖い夏琉は何度も見たし、何度も夏琉を怒らせたこともある。
しかしこんなにもはっきりと、嫌悪だけを向けられたことはないと貴弘は
何か大事にしていたものを叩き壊されるように怖くなったのだ。
「夏琉! 何睨んでんだよ」
「・・・誰だこいつ」
このとき初めて喋った夏琉は、とても低い声だった。
貴弘との間に入った洋平に姿が隠れたけれど、貴弘はざあっと
全身の血が落ちてしまうんじゃないかと思うほど青ざめた。
3年分、中学生ということは、夏琉は貴弘を知らない。
夏流の世界に、貴弘はいない。
改めて思い知らされて、貴弘は以前自分がしたことに対する
罰なのだろうかと震える手を握りしめた。
夏流の中に自分がいない。
それだけで世界が揺れるほど不安になる。
貴弘が青ざめたのを見た洋平が、強く夏琉を睨みながら続ける。
「今朝久しぶりに夏琉から連絡があって、それがどこにいるとか、
今なにしてるとか、なんか要領得なくてさ。ちょうどこっちに
帰ってきたとこだったからそのままここに来たら、ここはどこだとか
どこに行ってたんだとか訳の分らないこと聞かれて、話しをまとめてみて、
ようやく記憶が3年分なくなってるって解ったとこ。中学の時住んでた
マンションはここじゃなかったし、俺は一緒に住んでたから
そこまでは解るんだけど」
その先は別れた。
高校へ進学してすぐに、洋平はある事件に襲われ、夏琉はそれに
巻き込まれ、結果それまで一緒だった二人の人生が別れた。
貴弘は詳しくは知らないけれど、普通の人生を歩むはずだった
洋平の未来が大きく変わったのだとなんとなく理解した。
ただ、それを納得しないのは、すべてを知らない夏琉だ。
「お前、どうしてこの家に勝手に入る?」
オートロックの暗証番号も教わり、合鍵も夏琉自身から貰ったものなのに、
記憶がないだけでこんなにも違うものになるのか、
と貴弘は真っ黒な場所に落ちた気がした。
 


つづく

*****

↓ 擬人化

「う、あっ、ちょ、まてっ待てってば、あー・・・ッ」
「う、ご・・・ごめん、」
「ご、ごめんじゃねぇだろ! いきなり、勝手に、後ろから・・・っ」
「ごめん」
「ごめんですんだらケーサツいらねぇよっこんなに強く突っ込んで
きやがって!」
「・・・ごめん」
「ばかっどーしてくれんだよっこんなになっておれ・・・っ
明日からどうすりゃいいのっ?!」
「・・・ごめん、ほんとに、ごめんな?」


余りに動揺して擬人化してみました(笑
貴弘と一緒にドキドキし中です。

昨日、私のかわいい赤色の子に後ろから黒いでっかいのが
突っ込んできやがったのです。
まー相手は、最初から警察を呼んでちゃんと謝ってくれて
自分の前方不注意でした、とはっきり言ってくれたので
信号で止まってた私に非はなく、向こうの保険で
なんとかなるようなんですが。
怪我はないですか、と言われて、そのときはなんともなかった
んですが、今朝起きたら首が痛い・・・
あれ。
これってもしかして、これがムチウチとかいうやつ・・・?
先輩に聞いたところ、やっぱり病院に言って診断書も
もらったほうがあとあとよさそうなので、明日は病院に
行こうと思います。
なんか今日(日曜)は担当の先生がいないらしく。
あーあ。
ボードの帰りで、すんごく楽しかったのにな・・・
基本的に雪山には私の車で行くので、また行こうね、って
言ってたとこだったのに・・・
この赤い子の修理、いったいどんだけかかるんだ。
費用は向こうが持つとかそんなんではなく。
やっぱり台車ってやーなんですよね。
とくに明日から雪です。
予報は一週間雪です。
4駆貸してもらわなきゃ。
車はもちろん、私がいつもお世話になってる車屋さんに
頼むんですが、事故のことを話したらパピーが、
「向こうの車屋に直してもらって、気に入らんとこがあったら
何度でも直してもらえ」
などと言い。
なんでそんな意地悪しなきゃなんないの?
私は私の意見をなんでも言いやすい知り合いにお願いしたいし、
事故の前の車に(すでに8年目の車です)戻してもらえれば
それでいいと思うのに。
パピーも私も、言ってることは同じかもしれんけど、
言い方がいやらしい。
事故の後で、このパピーの言葉にさらに疲れた。
なので今日は、一日ごろごろしてましょう。

【2012/01/22 12:49 】 | 夢を喰う獣 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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